クーラーは神

クーラーのことを調べたら少しは涼しくなる説。

さわやか自然百景 「北海道登別旅行記」

さわやか自然百景北海道 登別

2013年2月24日放送  NHK総合
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北海道の南西部に位置する登別は、美しい温泉地として有名です。
ホテルが山間に並び、その奥には地獄谷と呼ばれる谷が広がっています。
地獄谷は火山の爆発によりできたもので、年間300万人以上の観光客が訪れる場所です。

地獄谷の奥には熱湯が湧き出し、硫黄の匂いが漂っています。
このような厳しい環境でも、イネ科の植物であるススキが育つなど、パイオニア植物が生息しています。
地獄谷の水を豊かに育むのは登別原始林であり、北海道を代表する天然林として国の天然記念物に指定されています。

ミズナラなどの広葉樹を中心に170種もの植物が見られ、手付かずの自然が残っています。
10月になると、森は実りの季節を迎え、コゲラやマミチャジナイなどさまざまな鳥が集まります。
マミチャジナイはキハダの実を食べ、長い旅の栄養を蓄えるためにここで滞在します。

また、ゴジュウカラは一年中ここで生活し、食べ物を樹の幹に隠して冬に備えます。
1月下旬には地獄谷は一面の雪景色となりますが、地熱のある場所には雪が積もらない場所もあります。
大湯沼では地熱によってお湯が湧き出し、湯気が立ちこめています。

ほとりの樹の枝には霧氷がついており、周囲には霜柱も見られます。
霜柱ができる様子を見ると、地中の水分が凍って氷の隙間に次々と吸い上げられていく様子が観察できます。
しかし、太陽が出ると霜柱は消えてしまいます。

冬になると森は雪に覆われますが、地熱がある斜面では地面が見えています。
ここではゴジュウカラが虫を探し、ミヤマカケスも木の実を探しています。
冬でも食べ物に恵まれる森は鳥たちにとって重要な場所です。

冬になるとハクセキレイも地獄谷を目指してやってきます。
彼らはここに生息するハエを求めて南へ移動することもありますが、一部はこの谷で冬を過ごします。
登別の火山活動は、動物たちの営みを支える暖かい地熱と豊かな森を提供しています。


#地獄谷 #登別(北海道)