さわやか自然百景 「秋の北海道探訪:襟裳岬への旅」
さわやか自然百景「秋 北海道 襟裳岬」
2019年10月27日放送 NHK総合-
秋の北海道の襟裳岬は、1300万年前の地殻変動によって形成されました。
この岬は猛烈な風が吹き荒れ、年間260日以上は風速10mを超えるという特徴があります。
そのため、高い木は育ちにくく、過酷な環境の花であるチシマセンブリやヒダカミセバヤが咲いています。
岬の近くのガケにはハヤブサやノスリが留まっている光景も見られます。
岬の先端に広がる岩場は全国的にも珍しく、高い波が押し寄せています。
岩場にはゼニガタアザラシが集まり、海藻などが生い茂っています。
海藻の間には海老や魚などが隠れており、ゼニガタアザラシの大好物となっています。
岬の東側には長さ10キロにわたる砂浜が広がっており、強い風によって美しい風紋模様が描かれます。
砂浜の一角にはキタキツネの巣があり、30の出入り口があるそうです。
9月下旬になると、襟裳岬には冬鳥が渡ってきます。
シノリガモなどの雑食性の鳥は、荒波が押し寄せる岩場がお気に入りの場所となります。
海藻がちぎれ、水面近くに押し寄せることでえさを得られるからです。
また、波打ち際ではアザラシや海鳥の死骸が波によって運ばれてくる光景も見られます。
夜になると、キタキツネたちはアザラシを捕まえるために現れます。
海の恵みによって、キタキツネたちは長い冬に備えるのです。
このように、襟裳岬ではさまざまな生物の営みが見られ、豊かな自然の美しさを堪能することができるのです。